2007.12月定例議会_一般質問
おはようございます。自由民主党の河野亨でございます。
今年4月から、歴史と伝統ある山口県議会の一員に加えていただきました。
多くの皆様に御期待を頂きましたこと心から感謝申し上げます。
初めての一般質問に当たり、お聞き苦しいところもあるかもしれませんが、どうかご容赦いただきますようお願いいたします。
私は、志をもって、教育の改革、福祉の充実、財政の健全化などを訴えてまいりました。初心を忘れず、県勢の発展と県民福祉の向上のために精一杯頑張ってまいる所存でありますので、島田議長様をはじめ、先輩議員の皆様、そして執行部の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、二井知事は、来年夏の知事選挙への出馬を表明されました。知事は、就任以来、新しい県のかたちづくりに取り組まれ、県勢発展の基盤づくりに尽力された手腕は、県民が高く評価するところであり、地方分権が進展する中、更なる県勢の発展のために、これまでの貴重な経験を活かされ、引き続き県政を推進して頂きたいとお伝えすると共に、大変微力ではありますが、自民党県議団の一人として、私も御支援・御協力を固くお約束する次第であります。
それでは、通告に従いまして一般質問を行います。
人口減少対策について
質問
まず、最初に、人口減少対策についてお尋ねをいたします。
現在、経済のグローバル化や世界的なIT化の進展によって、地方経済を支える中小企業や農林水産業は、低価格生産が可能な諸外国を相手とした厳しい競争にさらされ、また、大資本を持つ企業の参入もあり、競争はますます激化しています。
さらに、少子高齢化の急速な進行などによる人口減少は、地方経済の足腰を弱体化させ、地方の厳しい状況に追い討ちをかけています。
こうした社会構造の変化により、成熟化社会の中で、家族や社会への帰属意識が薄れつつあるという負の遺産も表面化しつつあるのではないかと思います。
また、都市と地方の格差は拡大し、多くの自治体は、地域間格差の是正や地域再生に向けた新たな施策を打ち出したくても、地方交付税の削減等による厳しい財政状況の下、なかなか踏み出せないのが偽らざる実態ではないかと思います。
そのため、改めて、家族の絆、地域の絆、社会との関わりといった家族や地域のコミュニティの大切さが見直される時期に来ていると、私は考えます。何事も、行政頼みや行き過ぎた個人主義優先の考え方ではなく、年々ボランティア活動が活発化しているように、社会に対し、自分でできることは自分で行うという県民性を高めていくことにより、行政活動の諸経費が圧縮でき、子どもたちの未来をつくる投資が可能になるのであります。このことは、これからの政治において、重要になると考えます。
また、私は、県勢発展の一番のバロメーターは、人口の伸びにあると思いますが、我が国全体の人口が減る中で、本県においても、その例外ではなく、そればかりか、本年5月に公表されたの「日本の都道府県別将来人口推計」によれば、人口の減少率は26.1%と、残念ながら全国4位と高く、平成47年における老齢人口構成比は37.4%と、全国5位と高くなっているのが現実であります。
一方、約800万人とも言われる昭和22年から24年の3年間に生まれた世代、いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる方々が今年から退職期を迎えられます。この問題は、全国的にも「2007年問題」として取り組むべき課題となっており、団塊の世代の方々が社会参加、いわゆる「地域デビュー」をされますが、これらの方々は、豊かな知識と経験を持たれており、まちづくりや地域の活性化に向けての即戦力として期待が大きいのであります。
このような状況の中、県では、来年度当初予算編成方針を発表されましたが、予算編成過程において、特に、人口減少社会への対応に力を入れていただきたいと考えています。
本県の少子高齢化が加速することが予想される中、福祉や医療、少子化対策、教育振興など地域福祉関係経費の充実や団塊世代の地域デビューを後押しすることなどにより、県民の皆様の活力を高め、これによって地域の活性化を図ることが、今、最も大切であると考えます。
そこで、お尋ねいたします。
本県が他県との差別化を図り、人口減少社会に対応するために、今後、人口減少対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
答弁
- 知事
河野議員のご質問にお答えをいたします。
まず、人口減少対策についてのお尋ねであります。
私は、人口減少対策を県政の最重要課題として、子育て支援対策、若者の県内就職促進や企業誘致等による雇用の場の創出など、各般にわたる対策を講じております。
来年度におきましても、予算編成方針におきまして、一つの大きな目指すべき方向に「人口減少社会への対応」を掲げております。
さらなる施策の構築を図っていきたいと考えています。
人口減少対策は、「出生・子育て」対策のみならず、人口の「定着・流入」を図るための取組、また「交流」を促進するための取組など、あらゆる分野における総合的な対策が必要であります。
このようなことから、例えば、まず、(1)「出生・子育て」対策といたしましては、子育て文化創造条例を踏まえた「家庭の日」の普及や、保育所を活用した子育て支援機能の強化、企業との協働による子育て応援の取組、周産期医療体制の充実等を進めていくことにいたしております。
また、(2)人口の「定着」や「流入」を図る対策としては、本年設置をいたしました「高度技術産業集積推進本部」を活用した企業誘致の一層の促進、団塊の世代のUJIターンの強化、中山間地域における活力の維持・向上対策の推進等を図ることにいたしております。
さらに、(3)「交流」促進対策としては、県外から多くの観光客を迎える、JRグループと協働して実施をいたしますデスティネーションキャンペーンが来年夏に予定をされております。
また、4年後には、県外から選手・役員や多くの来訪者が予定されている山口国体が開催されますことから、これを好機として、本県の魅力を全国に力強く発信をし、交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。
私は、人口減少対策は、どこまでも、県民の皆様一人ひとりが「山口県に生まれ育って良かった」と思えるような、「県民力」や「地域力」の発揮による「住み良さ日本一の元気県づくり」を進めることが重要であると考えております。 今後とも、市町、県民の皆様と連携、協働し、ただいまご質問の中にもありましたように、絆をしっかりと持って、全力を挙げて人口減少の抑制に取り組んでまいります。
地域医療問題について
質問
次に、地域医療問題についてお尋ねをいたします。
少子・高齢化が進行する中、住民が安心して生活するためには、地域における医療サービスの確保は、一層必要不可欠なものになっています。しかし最近、地域医療が崩壊しかかっているという報道をよく見聞きします。これまで地域医療を支えてきた自治体病院の経営状況についても問題となっています。
地域医療の確保につきましては、我が党の長谷川幹事長の代表質問に対し、「暮らしの安心・安全の基盤となる喫緊の課題であり、県下各地域において必要な医療をしっかりと確保できるよう、山口大学等、関係機関とも協力しながら、全力で取り組む」という、非常に積極的な御答弁がございました。
このため、私からの重ねての質問は控えさせていただきますが、県民の皆さんが地域で安心して暮らしていけるよう、地域医療体制の整備に向けて万全を期していただきますようお願いを申し上げます。
次に、自治体病院の経営状況についてであります。
全国には約千の自治体病院がありますが、その約7割が赤字を抱えており、その総額は約1兆8千億円を超えます。自治体は、一般会計から病院会計に対し相当額を補てんしていますが、地方交付税の削減等により地方財政もひっ迫しており、自治体病院の経営状況は更に厳しさを増しております。
さらに、本年6月に成立した「地方公共団体財政健全化法」において、自治体の財政状況を判断するために4つの指標が示されていますが、そのうち「連結実質赤字比率」には公営企業である病院会計の収支も反映されます。そのため、病院事業の赤字がその自治体を財政再生団体に転落させるという事態も十分予想されます。
こうした中、先月、総務省の公立病院改革懇談会は、公立病院改革プランの策定に係るガイドライン案をとりまとめました。これは、病床利用率などについての数値目標を掲げた経営効率化、他の医療機関等との再編・統合、経営形態の見直しなどを自治体に求める内容です。年内に正式なガイドラインとしてまとめられた後、平成20年度中に各自治体は改革プランを策定することになります。
今後、自治体病院の経営改善に向けた取組が本格化しますが、これまで地域医療の中核として自治体病院が果たしてきた役割等を考慮し、地域住民への医療サービスが低下することのないよう経営の効率化等の取組を進めていく必要があると思います。
そうした中、例えば、県立総合医療センターのように、数年前までは厳しい経営現状にあったものの、様々な対策を講じたことにより、改善が図られた病院もありますが、県内には厳しい状況にある市町立の病院が多くあります。
そこで、お尋ねいたします。
県では、そうした市町立の病院の経営状況をどのように認識され、また、その経営改善の取組についてどのように対応されるのか、お伺いいたします。
答弁
- 地域振興部長
自治体病院の経営状況等について、お答えをいたします。
県内9団体の自治体病院の経営状況は、平成18年度決算において8団体で経常損失が生じ、また、9団体全てで累積欠損金が生じるなど、医師不足や診療報酬の改定等により、近年一段と厳しい経営状況にあるものと考えております。さらに、お示しのように、財政健全化法を踏まえますと、自治体病院の経営の悪化は、当該自治体の財政運営全体に大きな影響を及ぼしますことから、早急な経営健全化が必要であると考えております。
このため、県におきましては、これまで、各市町に対しまして、計画性・透明性の高い企業経営を進めるための中期経営計画の策定や指定管理者制度の導入、さらには、自治体病院としてのあり方の検討なども含め、一層の経営改善に向けた取組を進めるよう、助言を行っているところであり、各市町においては、鋭意取り組まれているところであります。
こうした中、国におきましては、健全な経営の下に良質な医療を提供できるよう、お示しの「公立病院改革ガイドライン」を年内に策定することといたしております。
このガイドラインでは、各自治体において、地域医療確保のために当該病院の果たすべき役割や一般会計負担の考え方をはじめ、「経営効率化」に向けて、財務内容の改善に係る経営指標の数値目標の設定や民間的経営手法の導入、さらには事業規模・形態の見直しなどを内容とする「改革プラン」を策定し、その実施状況の点検、評価、公表を行うことなどが示されることとなっております。
従いまして、今後、県といたしましては、関係市町において、各自治体の財政状況や地域医療の実情等を十分に踏まえた改革プランが策定され、その着実な実施によりまして、自治体病院の経営改善の取組がなお一層進みますよう、引き続き、適宜適切な助言や情報提供に努めてまいります。
【要望】
地域医療の確保につきましては、我が党の長谷川幹事長の代表質問に対し、「暮らしの安心・安全の基盤となる喫緊の課題であり、県下各地域において必要な医療をしっかりと確保できるよう、山口大学等、関係機関とも協力しながら、全力で取り組む」という、非常に積極的な御答弁がございました。
このため、私から重ねての質問は控えさせていただきますが、県民の皆さんが地域で安心して暮らしていけるよう、地域医療体制の整備に向けて万全を期していただきますようお願い申し上げます。
高齢化に伴う福祉の充実について
質問
次に、高齢化に伴う福祉の充実についてのお尋ねと要望をいたします。
県ではこれまでも、様々な高齢者対策を講じられてきましたが、改めて「高齢化先進県」であるという認識の下、高齢者福祉の充実を図っていかなければならないと考えております。
まず、療養病床の再編成に伴う、高齢者福祉の充実についてお尋ねいたします。
国においては医療制度改革に伴い、平成23年度末までに介護療養病床を廃止することとし、地域においても療養病床の再編成が求められております。
再編成に当たり、国からは、介護療養病床を老人保健施設に転換する際の支援措置などは示されたものの、転換先の介護施設等の基準・報酬が明確にされていないなど、依然、不透明な点も残されており、転換する医療機関は多くの不安を抱えているとの声も聞くところであります。
本年8月、国において実施された調査においても、本県の対象医療機関のうち4割が、「転換先未定」と回答されております。
県としては、国の制度改正により地方や現場が混乱することのないよう、今後とも地方や現場の声をしっかりと国に伝えていかなければならないと、私は考えます。
さて、本県の療養病床の状況をみますと、本県では他県に比べて療養病床が多く、現時点での療養病床数は約1万床となっており、国の示した目標値の算定式にあてはめますと、現在の療養病床の6割程度が転換することとなります。
現在、県では、円滑な再編成に向けて「地域ケア体制整備構想」を策定されており、今後、この構想に基づき療養病床の転換に取り組まれることとなりますが、私は、療養病床の転換に際しては、何よりも、入院患者の皆さんの医療ニーズに適切に対応することが重要であると考えます。県の掲げられる「心のかよう健康福祉先進県」を目指した再編成をお願いするところであります。
一方、とかく療養病床数の数値目標を定める「療養病床転換推進計画」のみが論じられることが多くなっておりますが、地域ケアの体制整備に当たっては、高齢者を支える介護サービス、高齢者向けの住まいと見守り、在宅医療を基本的施策と位置付けることとされており、構想には地域ケア体制の将来像や平成23年までの介護サービス等の必要量の見込み及びその確保方策なども盛り込まれることとなっております。
私は、療養病床の再編成を検討するに当たっては、医療ニーズが低く療養病床を退所され、地域にもどられる高齢者を地域においてどのように支えていくのか、この観点からも、しっかりと論じられるべきだと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
今後進められる、療養病床の再編成を契機に、県として、地域における在宅サービスや施設サービスなどの介護サービスをどのように充実させていかれるのか、お伺いいたします。
また、在宅福祉にしても、施設福祉にしても、親と子、祖父、祖母と孫「家族の絆」、「地域の絆」、また「社会との関わり」が重要であります。どうか、教育委員会、関係部局が連携を図られながら、家族の絆、地域の絆の再構築に向けた取組みを進められるよう要望いたします。
答弁
- 健康福祉部長
高齢者福祉についてお答えします。
高齢化が進行する中、高齢者ができるだけ住み慣れた地域で、安心して暮らせる基盤づくりを進めることは重要です。
このため、現在策定中の「地域ケア体制整備構想」におきましては、療養病床の再編に的確に対応するとともに、高齢者が介護を必要とする状態となっても、医療、介護や住まいと見守りが連携して高齢者の生活を支える総合的な地域ケア体制の将来像を示し、その実現に向けて、サービス提供基盤の整備を図っていく考えです。
こうした考えに立って、お尋ねの介護サービスにつきましては、この構想において、施設サービスと在宅サービスとのバランスにも十分配慮しながら、一層の充実を図っていくこととしております。
まず、療養病床の再編の受け皿となる施設サービスにつきましては、必要な療養病床は確保しつつ、医療ニーズが低い方についても、状態に応じたサービスが確保できるよう、平成23年度までの目標を示し、老人保健施設等への転換を計画的に進めてまいります。
また、将来の介護ニーズを踏まえ、ケアハウスや有料老人ホームなど、生活環境やケアの必要性に応じた多様な受け皿についても、積極的に整備してまいります。
また、在宅サービスの充実につきましては、地域での療養が続けられるよう、訪問診療や訪問看護等、医療と介護が連携したサービスの提供や、住宅担当部局と連携し、見守り等の生活支援に配慮した高齢者向け専用賃貸住宅の確保などに、更に取り組んでいく考えです。
こうした公的サービスに加えて、お示しのように、住民相互の支え合いやネットワークづくりを進めるなど、「地域の絆」を深めていき、地域ケアの一層の充実に努めてまいります。
【要望】
在宅福祉にしても、施設福祉にしても、親と子、祖父、祖母と孫「家族の絆」「地域の絆」また「社会との関わり」が重要であります。どうか、教育委員会、関係部局が連携を図られながら、家族の絆、地域の絆の再構築に向けた取組を進められるよう要望いたします。
災害に強い安全・安心のまちづくりについて
質問
次に、災害に強い安全・安心のまちづくりについてお尋ねをいたします。
来年度当初予算編成方針においても、「暮らしの安心・安全基盤の強化」を政策課題の一つに掲げられており、今後の取り組みに大きな期待をよせているところであります。
ここで忘れてはならないのが、自然災害の脅威への対策であると考えています。
幸いなことに、本年は、今のところ特に大きな自然災害こそ発生していないものの、県民の貴重な生命、財産を守ることは県政における最大のテーマであり、全国的に地震や台風等による被害が続発し、また、近年、台風の大型化や局地的な豪雨の発生などの傾向が見受けられる状況の中で、「災害に強いまちづくり」については、着実な推進を図っていかなければならないものと考えます。
昨今の大変厳しい財政状況の中で、公共事業予算についても、大変厳しいものがあり、そのような中で、防災対策が一朝一夕に進むものではないことは、十分理解しています。
また、このような状況にあっても、計画的に、着実に防災対策が進められていることについては、感謝申し上げる次第であります。
しかしながら、一方で、台風のたびに避難勧告が出されるような事態が生じていることも事実であり、自然災害への対策は不十分と言わざるを得ない状況ともなっています。
自然災害に対する安全度を高め、災害に対する県民の不安を取り除いていくために、更なる防災対策の充実強化が求められています。
そこで、お尋ねいたします。
県では、治水対策にどのように取り組んでいるのか、特に平成17年の14号台風でも浸水被害が生じた島田川の改修については、どのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。
また、県管理河川において、河床への土砂堆積が見受けられる箇所が決して少なくはなく、これが治水能力を低下させているのではないかとの県民の不安の声を耳にするところであり、堆積土砂の浚渫(しゅんせつ)工事が急がれる状況にあると考えますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
答弁
- 土木建築部長
災害に強い安全・安心なまちづくりについてのお尋ねです。
県としては、災害への備えを強化し、県民の方々の暮らしの安心・安全を確保することは重要と考えており、地域の皆様の意見をお聞きし策定した「河川整備計画」に基づき河川改修を着実に進める中で、浸水被害が生じた地域や、人口、資産が集中する地域へ事業を重点化するなど、計画的・効率的な河川整備を推進しています。また、住民の確実な避難を支援するため、平成17年度からは、市町の作成する洪水ハザードマップの支援等にも努めながら、ハード・ソフト両面からの総合的な治水対策に取り組んでいるところです。
お示しの、台風14号で浸水被害が生じた島田川については、被災箇所への当面の対策として、平成17年度と平成18年度の2箇年間で約7万立方メートルの河道掘削、堆積土砂の除去を実施しました。また抜本的な対策としては、中流部最大のボトルネック箇所である、三島橋付近の河道拡幅工事に平成18年度に着手したところです。平成20年度からはこの工事に伴う橋梁の架け替えを行うこととしております。
次に、河床に堆積した土砂対策についてのお尋ねです。
県としては、これまでも浚渫工事により河道の流下能力の確保を図ってまいりましたが、その量が大量であることから、地域住民の方々の要望に速やかに対応することが難しい状況にあります。このような中、厳しい財政状況にはありますが、近年は浚渫予算の増額確保に努めてきたところであり、今後とも、優先度の高い箇所から、順次、計画的に河川浚渫を実施してまいります。
岩国基地民間空港の再開について
質問
次に、岩国基地民間空港の再開についてお尋ねをいたします。
私は、「周南地域を始めとする県東部地域の発展には、高速交通手段の充実が肝要であります。とりわけ、空港空白地域の解消を図らなければなりません。そのためには、この東部地域に空港の建設がどうしても必要である」と常日頃から考えております。
また、県東部地域に空港を建設することについては、8期32年間県会議員として皆様にお世話になりました、私の父、河野博行の悲願でもあり、自分の任期中に完成を見なかったことをすごく残念がっておりました。私が引き続き、早期完成を訴えていきたいと思っております。
このような想いで、知事を始め県当局の取組を拝見しておりましたところ、既に認められている1日4往復の民間航空機の運航に加え、本年5月には民航ターミナル地域の位置や規模が国から示され、これで、いよいよ本格的に整備が始まり、まもなく開港するという期待感で胸をふくらませましたが、民間空港再開は米軍再編問題と密接に絡んでいることから、米軍再編に対する岩国市長の姿勢がネックになり、前に進めない膠着状態にあるという大変残念な状況となっております。
しかしながら、知事は、このような中においても、先般この問題について国への精力的な要望を行われるなど、実現に向けて粘り強く取組を続けておられ、その姿勢に対して敬意を表するものであります。
言うまでもなく、民間空港は重要な社会基盤であり、岩国市だけでなく、周南・柳井地域を含む県東部地域全体の発展に大きく寄与することに異論を挟む余地はありません。つまり、観光などによる交流人口の増加、企業誘致による地域産業の振興など、この地域の活性化には欠かせないインフラ整備であることを考えれば、是非とも実現していただかなければなりません。
そこで、お尋ねいたします。
米軍再編に対する岩国市の姿勢に変化がみられず、民間空港再開に対する国の対応が厳しいとされる中、今後、再開の実現に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
答弁
- 知事
次に、岩国基地民間空港再開の実現に向けた取組についてお答えをいたします。
県東部地域における空港整備につきましては、広島空港の移転に伴いまして、本県における高速交通体系の一層の充実強化を図るために、平成3年から県東部空港構想の検討を開始いたしたところであります。その後の国の航空政策の変更や米軍岩国基地の軍民共用化を求める地元の強い要請を受けまして、平成12年からは、沖合移設後の岩国基地滑走路を使用する民間空港の再開について取組を進めてきたところであります。
このような中、私は、地元推進団体と一体となって国に要望を行い、これまでに、運航便数や民航ターミナル地域の位置等の決定をみたところでありますが、施設整備の事業主体や費用負担、利便性の高い運航時間帯の確保など、まだまだ多くの課題が残されております。
また、国は、民間空港再開を一連の米軍再編という枠組の中で進めることにいたしており、一方で、岩国市長は、米軍再編と絡んでいる民間空港再開について具体的な取組は進められないということにしておりますことから、空港整備基本計画の成案づくりに必要な現地の測量や地質調査への着手など、開港に向けた取組を進めることができない、まさに閉塞的な状況になってしまっております。
これからの時代をつくる教育について
質問
最後に、これからの時代をつくる教育についてお尋ねをいたします。
私は、今後の県勢の振興・発展のためには、何よりも次代を担う人材の育成が重要かつ不可欠であるとの認識の下、「教育改革」を政治活動のテーマの一つに掲げ、取り組んで参りました。
昨年9月に発足した安倍内閣においては、「教育再生」を最重要課題と位置づけ、教育再生会議を新たに設置し、現在も活発に議論が行われております。また、何よりも昨年12月には、長年の懸案であった教育基本法の改正が約60年振りに実施されるなど、様々な改革が進められ、現内閣においてもその改革の流れは大河の如く続いております。
こうした教育改革が進められている中、安倍先生のお膝元である本県において、全国に先駆けた取組を行い、「教育県山口」の一層の充実・躍進が図られますよう、私も微力ながら引き続き取り組んで参る所存であります。
今回は、本県の教育課題のうち2点に絞り質問をさせていただきます。
まず一点目は先生方の資質の向上についてお尋ねいたします。
私は、多方面において社会の発展に大きく貢献され、「すばらしい人材」であると称される方のお話をお聞きしたり、また、著書を読ませていただくと、必ずといっていいほど出てくる事が、「学生時代の恩師」の存在であります。
学生時代は、人生において多感な時代であります。その時期に、大人として接する人は、親であり、次には、学校におられる先生方なのではないでしょうか。その先生方から、学問を教えてもらうことのみでなく、人としての生き方や、社会への関わり方、仕事に対する情熱や夢、いろいろなものを子どもたちは感じとり、学んでいくのではないでしょうか。
明治の時代より「教育県山口」と他県からの評価もあり、これを守り、より進めるためにも、子どもたちにとっての恩師になりうる先生方を育てることが必要であります。
そこで、お尋ねいたします。
今後、優れた資質能力を備えた魅力溢れる先生方の育成にどのように取り組まれるおつもりか、教育長の御所見をお伺いいたします。
答弁
- 教育長
教育についての2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、魅力溢れる教員の育成についてであります。
恩師についてお示しがありましたが、人間味に溢れ、情熱を持って子どもたちとしっかり向き合い、人生に夢を与え、人としての生き方を教える教員、そして、いつまでも心の奥底にその記憶が失われることなく生き続く、そのような教員であろうと考えております。
子どもたちを取り巻く環境が急速に変化する中で、一人ひとりの子どもたちが、夢を持ってそれぞれの可能性を伸ばし、たくましく生き抜いていく力を培うためには、教員一人ひとりが、今示されました恩師といわれる教員像を描きながら、強い情熱を持つとともに、人間としての魅力、専門家としての確かな力量など、それを身に付けていくことが重要であると考えております。
このため、本県では、まず教員の採用に当たりましては、人物重視の視点に立ちまして、豊かな人間性と深い教育的愛情、さらには子どもを共感的に理解する力などを有する人材の採用に努めているところであります。
また、採用後におきましても、コミュニケーション能力の育成をはじめ、子どもたちの興味関心を把握して、個性を伸ばす質の高い授業を展開することができるように、専門家としての力量を高める研修にも取り組んでおります。
さらに、学校現場におきましては、各教員が切磋琢磨し、指導力の向上に努めることが重要でありますことから、今後、優れた教員がもつ指導のノウハウを、他の教員が共有できる取組なども進めてまいります。
県教委といたしましては、これらの研修や学校現場での取組に加えまして、現在進めております学校評価や授業評価などを通して、教員一人ひとりが子どもたちの目線に立って、自らを振り返りながら、絶えず成長してくれるよう、子どもの理解力や授業づくりの力、さらには社会体験など様々な研修の充実を図って、魅力ある教員の育成に努めてまいります。
質問
最後に、教育問題の第2点目として、家庭教育についてお尋ねいたします。
近年、家庭崩壊、家庭の教育力の低下に起因する事件や事故が全国的に多発し、新聞等で報道されています。
私は、こうした報道を見聞きするたびに、本来、家庭で行われるべき“しつけ”、“社会規範の教育”の低下が進んでいることがその主たる要因ではないかと感じております。
家庭は子どもが成長する上での原点であり、しつけなどを通じ、人として生きていくための基本的なルールや思いやりなどを培う場であると思います。このため、今必要なことは家庭の教育力の回復であると考えております。
また、子どもと親とのつながりの希薄化も課題であると思っております。
さて、ここで私の提案があります。
それは、一昔前には一般的であった「五右衛門風呂」の風呂焚き当番であります。
子どもが冬の寒さにも負けることなく、自分も含め、家族のために、五右衛門風呂の風呂を焚く、風呂で一日の疲れを癒す家族と窓越しに話をし、感謝の心が通い合う、この姿こそ、家族の絆を構築するものであったと、私は思います。
時代は豊かになり、五右衛門風呂もあまり見ることができなくなりました。便利さの進む中で、逆に心の通い合うものが家庭の中になくなってしまったとも言えると思います。
しかしながら、現代でも、こうした家庭内での子どもの決まった仕事、「お手伝い」という形で子どもの仕事を位置づけることが必要ではないかと思います。
そこで、私の提言でありますが、県の「家庭の元気応援キャンペーン」の一環として家庭の中での子どもの仕事、子どもの役割、「お手伝い」を推奨されてはいかがでしょうか。子どもが「お手伝い」をすることによって、家庭での役割等を実感するとともに、子どもが家族との関わりを見つめ直すきっかけに繋がるものと考えます。
さらには、こうしたことが、労働の尊さを学び、社会への帰属意識や貢献意識を培うことにも繋がり、将来の社会人、職業人としての自立にも役立つものと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
子どもの教育は一義的に親が責任を持って行うべきものと思いますが、低下しつつある家庭の教育力の回復に向けて、今後どのように取り組んでいくお考えか、また、子どもと家庭との関わりを強くする観点から、子どもの仕事「お手伝い」を促していく取組を進めてはいかがかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
答弁
- 教育長
次に、家庭教育について2点のお尋ねであります。
(1)まず、家庭の教育力の回復についてでありますが、家庭教育は、基本的生活習慣を身に付け、規範意識や豊かな感性を育むなど重要な役割を担っております。近年、社会環境が大きく変化する中で、お示しのありましたように、家庭は子どもの成長を図る教育の原点であるとの視点に立って、その教育力を高めていくことが重要であると考えております。
このため、県教委では、こうした家庭教育の重要性に鑑み、昨年の5月から、親が自覚と自信を持って家庭教育を行い、そして、それを社会全体で支えていく「家庭の元気応援キャンペーン」を展開しております。テレビの家庭教育番組の放映や親子ふれあいの体験活動、おやじの会の設立、企業等に出向いての家庭教育講座の開催などの様々な取組を進めているところであります。また、子育ての不安や悩みを抱える親の相談に応じることのできる家庭教育アドバイザーの養成にも取り組んでおります。
県教委といたしましては、引き続き、家庭や各地域の実情に応じて、創意工夫を凝らしながら、キャンペーンの取組を実施いたしますとともに、今後、家庭教育アドバイザーや保健師、臨床心理士等が連携して、課題を抱えております家庭に対しまして、よりきめ細かな支援を行うことも検討してまいります。
(2)次に、当番の風呂焚きをお示しになっての、家庭での手伝いの推奨についてであります。私も子どもの頃、水道が普及するまでは、風呂に、バケツに水を汲んで入れる、それが当番でありました。さて、幼児期から手伝いをして家族の役に立って、喜ばれる体験を積み重ねることは、家庭での自分の役割を実感する中で家族との絆を強めますとともに、働くことの大切さを学び、自立する力を養うなど、その教育的意義は大きいものと考えております。
こうしたことから、県教委といたしましては、お示しの趣旨も踏まえまして、現在、キャンペーンの中で掲げております基本的生活習慣と親子の絆の強化など3つの提唱事項に加えまして、「お手伝いの推奨」を取り上げ、親子で手伝いの約束事を決めて実践する取組などを促すこととして、積極的に啓発を図ってまいりたいと考えております。
県教委といたしましては、今後とも、家庭教育はすべての教育の出発点であるとの認識に立って、家族の絆が深まるよう、関係部局や市町教委等との連携、また、学校やPTA等関係機関とも連携を密にして、県民総参加による家庭教育支援の一層の充実に取り組んでまいります。
以上、6点の質問でありましたが、岩国市で起きている問題もあり、国、県、市、町すべてが連携を密にして、意思の疎通を図るとともに、家族の絆、地域の絆といった社会への帰属意識、参画意識を高めていくことが、国民、県民、市町民の幸せを作り出す力となると私の所信も含め、そのように思っております。山口県においても、たくさんの県民参画の県づくり、そして国・市・町との連携、協力体制の強化を是非お願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。感謝申し上げます。




























